勇利がいてスケートができたらそれだけで Side V

「ヴィクトル」
「勇利」
 バンケットが終わってお互いにシャワーを浴びてひと段落ついた。
勇利がふふっと笑っている。この笑い方は何かが嬉しいようだ。
「どうしたの、勇利?そんなに笑って」
「だって、嬉しいんだ。またヴィクトルとスケートができるってことが」
「俺も嬉しいよ。…ショート終わった後のあの絶望感に比べたら」
「うっ…ごめん…」
 あの時は泣いてることすら最初は分からなかった。何を言われたのかすら。
それぐらいに勇利に引退する、と言われたことがショックだった。
「…絶望感?」
「…俺は競技者ではない自分が勇利を引き留めることはできないと絶望したんだ。俺はあの時にはもう引退する心積もりしていた。コーチとして勇利の傍にいたいって思っていた」
 自分がまだ選手だったなら勇利の闘争心を煽ることができただろう。勇利は負けず嫌いだ。勝ちたいと、引退しないと言わせることができたかもしれない。でも今の自分はコーチだ。休養という形を取っているが、選手として同じ舞台に立っていない自分にできることはほとんどない。
 最初は確かに復帰するつもりで勇利の休息時間に滑ったり筋トレなども最低限続けていた。でも、勇利と一緒に過ごし、滑っていく内に気持ちは変わっていった。迷いはあったが、決定的だったのはロシア大会でマッカチンのことがあり、勇利を置いて日本へ帰ったことだ。辛そうな勇利の傍にいれない自分がとても悔しかった。勇利の傍でスケートをしたい、そう願って俺は引退しようとした。ファイナルが終わった後に正式に発表するつもりだった。
「僕、知らなかった」
「…ねぇ勇利、勇利はどうして引退しようとしたの。あの時答えてくれなかったこと教えて?」
 あの時、ショートが終わったその夜に勇利は何を思って俺に告げたのか。

「自分は引退して、俺には競技を続けろなんてよく言えるよね!?」
 引退します―その言葉をすぐに理解することができなかった。
確かに引退までお願いしますとは言われた。でもそれがファイナルまでだなんて思いもしなかった。
俺が休養という形を取り、完全な引退をしていないのが仇になった。ファイナル終わった後に発表だなんて楽観的な考えをしていたからだ。引退を決めた時点で発表しておくべきだった。
 勇利は俺が選手に戻りたいと思っていると考えている口ぶり、俺は勇利に何一つ伝えられていないこと、いろいろなことが頭の中でごちゃまぜになった。勇利は何故俺が怒っているのか不思議そうな顔をしていた。
「…ねぇ、勇利。何で?何で引退するなんて言うの」
「何でって…。元々ファイナルまでって言ってたのはヴィクトルだったでしょ?」
「確かにファイナルで優勝させるって俺言ったよ。でも、何でそれが勇利が引退するってことに繋がるの!?」
「………」
「勇利………分かった、フリーが終わったらそれぞれ自分で結論を出そう。俺がどうするかは俺が決める」
「………分かったよ」
 知ってるよ、勇利。勇利はそう物分かりよさそうに言っていても心の中では絶対に決めてるってことぐらい。俺はどうしたら勇利を氷の上に引き留めることができるのだろうか…。

 勇利は何を考え思い、俺に告げたのかを直接勇利の口から知りたかった。
「…僕は、ロシア大会でヴィクトルがいないと満足に滑れなくなっていたことに気づいたんだ。元々ラストシーズンだと思って、ヴィクトルと一緒にいれるのはファイナルまでだと思ってたから、全日本以降今の状態のままスケートを続けるのは無理だって…」
「…俺も、フリーの時傍にいることができなくてごめん」
「ううん、マッカチンのことがあったんだから、僕がしっかりしないといけなかっただけだよ」
「ラストシーズンって考えていたなんて知らなかった」
「僕、引退までお願いしますって言った…」
「…ラストシーズンだとかファイナルで引退だとかそういう意味には聞こえなかったよ」
 そう、いつも勇利は大事なことは自分の中で昇華して言葉にしない。ラストシーズンをかけていたなんて一言も言っていなかった。人の事言えないかもしれないけど、勇利は言葉が足りない。
「えっと、ごめん?」
「…マリが以前、勇利は本当に大事なことは誰にも言わずに決めるって言ってたし、今回実感したよ」
「真利姉ちゃん…」
「勇利、本当にロシアに来てくれる…?いや…来い、それ以外認めない」
「行くよ。ヴィクトルと一緒にスケートするために」
「うん…ああ、ダメだかっこ悪いな俺」
「そんなことない!ヴィクトルはいつもかっこいいよ!」
 今勇利にロシアに行かないなんて言われたら俺何するか分からない、それぐらい勇利が好きなんだ。
かっこいいって勇利はいつも言ってくれる。勇利もかっこいいよ、俺よりもね。
「…ねぇヴィクトル、気になってたんだけど、僕のコーチ続けてもらうのって…」
「勇利のコーチは本当に勇利が引退する時まで俺だけだから。その後も…ずっとずっと、傍にいろ」
 フリーで勇利がラストの4回転フリップを決めた瞬間、もう一度競技者として勇利とスケートをしたいって思ったんだ。勇利がいないと俺はもう生きていけない、勇利が愛おしい。
「…うん、ヴィクトルもずっと僕の傍にいてほしい」
 そう素直に言ってくれる勇利は恥ずかしそうに笑った。
「もうおまえがいないと生きていけない、勇利」
「…大袈裟じゃない?…あ、でも僕もヴィクトルがいないとダメかも」
「勇利…」
 ファイナルが終わっている今、俺は勇利に顔を近づけ…
ファイナルが終わったこの夜、俺たちは恋人になった。

 キスの合間に勇利をじっと見ながらする。勇利は目をぎゅっと閉じているが、徐々に顔が蕩けてきた。以前から軽いキスしている時から思っていたが、やはり勇利はキスが好きらしい。かわいい。
「ナショナルまで時間はそう多くはない。だから勇利、今は入れない。ナショナルが終わったら、必ず」
「………うん」
 おそらく勇利は初めてだろうと思っていた通り、初めてだからお手柔らかにお願いします…と顔を赤くさせて言う勇利はとてもぐっときた。
「そのかわり…少しだけ触らせて…?」
「……あっ…んっ」
 唇から下へ、首筋にキスをする。それだけで勇利の身体はビクッと反応する。
胸の頂を甘噛みする。普段なら少し痛いぐらいで終わるようなものも今の勇利には気持ちがいいのか反応がいい。
「ヴィクトル……」
「痛い?」
「ううん……えっと…」
「ふふ、気持ちいいんだね。よかった」
 痛いとは言わなかったから、勇利としては痛くはないのだろう。恥ずかしくて言えないらしい。体を触りながらバスローブを脱がしていく。お腹や脇を触る度にビクビクさせる勇利に興奮する。
「…勇利、指入れるところまでしても?」
「えっ…と……」
「ダメ?こわい?」
「…こわ、くはないと…思う………ヴィクトルがしたいように、していいよ?」
「…勇利、俺を煽るものじゃないよ。…大丈夫、気持ちよくなるだけだよ」
「…あぁっ!…んんっ」
 この様子だといけるか?と聞いてみると反応は上々だ。ナショナルが迫っている関係上、本当に今日はセックスまでするつもりはない。触り合いと指で少し慣らすところまではできたらしたい。しかし、したいようにしてもいい、だって?そんなこと言うものではないよ、勇利。試合が近くなかったらペロリと食べていたさ。
 さきほどからやわやわと触っていた勇利のそれを強めに擦る。勇利とするために持ち歩いていたローションを手に取る。
「んっ…」
「…勇利、痛かったり苦しかったら言って」
 窄みの周りを撫でて少し馴染ませる。勇利の様子を見ながら指を入れていく。
「…んんっ」
「勇利、苦しい?」
「…だ、いじょ、ぶ」
 少し苦しそうではあるが、思ったより痛がってはいない。少しローションを足しながら中が慣れるのを待つ。
「…思ってたよりは大丈夫そうだね。少し動かすけど大丈夫?」
「うん…大丈夫だよ」
 出し入れする度にくぷくぷと特有の音がしている。勇利を見ると少し辛そうだ。よく見ると、前がふるふると震えている。
「………勇利、前触ってほしい?そろそろイキそうだね?」
「…ぅん…あっ」
 萎えていないところを見ると、勇利は中でも感じる体質かもしれないと思う。後のお楽しみといったところか。
指を抜くと、切なそうな顔をする勇利。ああ、食べたいな。
自分のモノを取り出し、勇利のモノと擦り合わせる。勇利はとても気持ちよさそうな顔をしている。勇利は初めてでこれだ、元々こういう快楽には弱い方なのかもしれない。そうなると心配だな。
「あぁっ…んぁ…!」
「…っく、勇利、イキそう?」
「んんっ!ゔぃくとるぅ…!」
「っ…ふふ、その蕩けた顔とてもいいね、かわいいよ勇利」
 ぽけーと俺の顔を見惚れたように見る勇利は本当にかわいい。
「…あ、イくっ…あぁっ!」
「…っ!…」
 ほぼ同時にイった。少し我に返ったのか顔を赤くさせていた。
「勇利、気持ちよかった?」
「………うん…ヴィクトルは…?」
「…とても気持ち良かったよ…ナショナル終わった後、楽しみだね…?」
 この後、またシャワーを浴びる勇利のところへ乱入し、勇利が抵抗しないのをいいことにまたお触りをして少し勇利に怒られてしまった。ふふ、楽しみだなぁ。

***

 エカテリンブルグ、24日午後11時57分。日本時間25日午前3時57分。
おそらく勇利は起きている。普段なら何も言わないが、今はお互いナショナルの試合の真っ最中だ。あまり感心はしないんだがな…。
『…ヴィクトル?』
「…こんな時間に起きてるなんて悪い子だね」
『睡眠時間はしっかり取ったよ?…ヴィクトルこそ大丈夫?』
 確かに声からは疲れは見えない。勇利も現状は分かっているから、おそらく本当に大丈夫なのだろう。
「ああ、さすがに復帰戦ということでいつもよりインタビューが長くてね、ヤコフが止めてくれたけど」
『うん、明日まだフリーあるもんね。…ヴィクトル、誕生日おめでとう!』
 やはり俺の誕生日のために起きていたのだろう、電話に出てから少しそわそわしていたから。自分の誕生日には淡泊なのにね?
「ふふっ、ありがとう、勇利。こうやって勇利に祝ってもらえてうれしい。フリーもがんばるよ。もちろん、勇利もショートがある」
『うん、僕もがんばる』
 そう、今の厳しい状況でロシア大会の二の舞を演じるわけにはいかないのだ。

***

 勇利は今日代表発表がある。まぁ勇利は1位だからね、代表確定だろうし大丈夫。
とロシアナショナルのエキシを控えた俺にミナコからメッセージが届いている。
『あんたたち博多辺りで1日帰るの遅らせたらー?勇利も満更じゃなさそうだし』
 ほう、ミナコにお膳立てされているようだ。ここは甘えるかな。ああ、そうだ。
『は?エキシ終わったら日本に来るって?勇利に内緒で!?しかも、関係者手続きって…あんたエキシ出る気?』
『サプライズねぇ…。まぁいいわ。今度高い酒飲んでいきなさいよね!』
 何だかんだミナコも協力してくれるのでありがたい。

 やはり日本の飛行機はほぼ定刻通りだ。
会場へ急ぐ。会場で見つからないように着替えを済ませ、ミナコと合流する。
「勇利の送り出しは豪くんに任せてるわ。もうすぐ勇利の出番よ」
「ああ、ありがとうミナコ」
「前から決めてたんでしょ?手続きのこと言ったら聞いてるって言われたわ」
「そうだね、時差と飛行機の時間を計算するとギリギリで行けると思ったからね、根回しは前もってやっていたんだ」
「そう…。勇利に怒られても知らないわよ」
「勇利なら怒っててもそこまで怒らないと思うよ」
「ほんとあんたって…」
 ミナコには少し呆れた顔をされた。
勇利には「離れずにそばにいて」を滑るように言ってある。
勇利もあまり感じていないかもしれないが、ファイナルの疲れが響いている可能性もある。
一緒に滑ればジャンプの量も減り、疲れは軽減できるのもあるが…俺が勇利と滑りたいのだ。

 ヤコフにはエキシが終わり次第日本へ戻ると言ってあるが、かなり無茶なスケジュールをこなす関係上、ヤコフに本当に大丈夫かと何度も念押しされた。
俺としては昨シーズンのプログラムを短期間で再度仕上げ直すとはいえ、練習量としては勇利に付き合って滑っていただけあってそこまで心配する必要はないと自分では感じていた。
だから、まだ疲れはあるだろうがロシアナショナルを全てこなした後日本に戻ることもできると踏んだ。
 そこでヤコフがスケジュールを完全に決めてしまう前に、日本のスケ連に連絡を取り、手続きを進めてほしいと依頼した。しぶしぶといった感じではあったが、承諾してくれたから感謝だね。
ヤコフにそのことを言うと、無茶すぎる!とこれまた怒られたが、俺としては自分の身体を客観的に見て行けると思ったからそうしただけなんだけどね?さすがに無理を通して日本へ行っては勇利に怒られて、ロシアに行かないなんて言われたら俺ちょっと何するか分からないし?

 伸びやかに滑る勇利を、観客から見えないようにしゃがみながら見ていると勇利は4回転フリップを綺麗に着氷した。一瞬こっちを見て目を見開いていて俺に気付いた様子だ。
「またいちゃいちゃ見せられるのね…」
「…ああ、ミナコはバルセロナでも見たしね」
「そうか、俺だけ生で見てないのか…」
 そう言いながら俺は氷上へと、勇利の傍へ。

 俺と勇利を引き合わせた「離れずにそばにいて」
俺に手を伸ばす勇利の手を取る。
「…ヴィクトル、好き」
 恋人になってから恥ずかしいのかあまり言ってくれなかった言葉を紡ぐ勇利。
「勇利…愛してる」
 勇利の照れた顔が食べてしまいたいぐらいとてもかわいくてかっこいい。

「まさかロシアナショナルのエキシ終わった後にそのまま日本に来るなんて聞いてない!」
「ふふふ、驚いただろう?」
「そりゃね!ミナコ先生知ってたんでしょう!?」
「だって勇利を驚かせたいから内緒でリンクサイド入れるように手続きしてくれって言われたんだもの。手続きって言っても大体はヴィクトルが元々やってたけどね」
「ということは、元々ヴィクトルは勇利のエキシに出る気で進めてたわけか」
 そうは言っても、勇利だってぷりぷり怒りつつも嬉しいと思っているのなんてお見通しだよ。
「ミナコに任せるとはいえ勇利のコーチができないからね、せめてエキシに出て勇利が少しでもリラックスできたらいいと思ってね。ファイナルから続けてで疲れはどうしても出るからね」
「ヴィクトル…って、ヴィクトルもでしょ!大丈夫?」
「ああ、飛行機で寝たからね。このぐらいであれば大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
「…大丈夫ならいいけど、無理はしないでよ?ただでさえ短期間でプログラム仕上げてるんだし…」
「うん、大丈夫だよ勇利」
「…あーコホン。いちゃつくのは部屋に帰ってからにしてちょうだい」
「…勇利、周り見ろ」
 ふふ、俺としては勇利は俺のだよと牽制できていいんだけどね。でも、やはり勇利は恥ずかしかったらしい、顔が赤くなっていた。そのおいしそうな頬食べたいね?

 ミナコ先生とタケシは一足早く長谷津に帰り、俺たちは博多で1日泊まった。
スイートルームを取りたかったが、勇利が後で何か言いそうだなとワンランク下の部屋を取った。
勇利としてはそれでも豪華だと思ったようだが、スイートルームよりかはましかと思ったらしい。

「…ああ、やっとだ」
 やっと勇利と繋がることができる。先に勇利にシャワーを浴びさせたのは、俺が先に浴びてしまっては、勇利がシャワーをする前に襲ってしまいそうだからだ。そわそわしている勇利に怒られてしまうからね。まぁ、ホテルの部屋に入った途端に少々がっついてしまったが。キスで腰が砕けた勇利もかわいかったけどね。
 シャワーから上がると、そわそわしつつも律儀にベッドの上で正座をする勇利がいた。
「…勇利、どうした?」
「わっ!…びっくりした…」
「そんなにびっくりしなくてもいいじゃないか」
 少し緊張しているらしい。ベッドに腰掛けつつ、落ち着かせる。
「…ヴィクトル、改めて誕生日おめでとう。過ぎちゃったけど…」
「いや、ナショナルがあったからね。勇利からおめでとうって電話で聞けたから。うれしかったよ」
「あ、はい…それで」
「うん?」
「誕生日プレゼントなんだけど………僕で」
「ん?」
 んん?もう一回言ってほしいな、勇利?
「…誕生日プレゼントは、僕で!…もいい…?」
「………勇利、覚悟しろ」
「うん…?」
 今自分の目が笑っていない自信があるよ。お前は本当に俺を煽ってくれるね。

「…んっ…やだぁ…」
「だーめ。我慢するんだ、勇利」
「ゔぃくとるぅ…!やぁ…」
 蕩けてきている勇利は舌足らずに俺の名前を呼ぶ。
勇利がもどかしく感じるように、勇利の体のいたるところを触る。窄みに指を入れながら勇利の様子を見る。指2本目を入ったことを耳元で囁くと、とてもいい声で鳴いたな。今も気持ちよさそうに鳴いている。
「…勇利、入れるよ」
「ゔぃくとる…?……ああっ!」
「…くっ……」
 勇利の中熱い。勇利の様子を見ながら奥へと。
「ゔぃくとる……きす、したい」
「っ…勇利、ああ」
 キスしている時の勇利の顔はとても艶やかだ。キスをしながら中が馴染むのを待つ。勇利がじれったそうに動いていいよ…?と言われると、がっついてしまいあまり優しくできなかった。勇利のを触りながら激しくすると勇利はとても蕩けた顔をしていて、気持ちいいと表情が言っていた。
「ぁあっ!あ、ああ!」
「勇利、気持ちいい?」
「んあ!…ぅん!」
 ああ、そんなかわいい顔をして…。
「勇利…俺の名前を呼べ」
「んん!…ゔぃく、とるぅ!」
「…っそうだ、おまえは俺のものだ。ずっと俺の傍にいろ」
 終わった後、勇利が覚えているかは分からないが、すでに勇利は俺のだ。誰にも渡さない。勇利が嫌だって言っても離してやらない。ずっと、一生俺の傍にいろ。
「あぁっ…も、う!」
「ああ……勇利っ」
「…―――っ!!」
「…っく!」

 終わった後体を拭き、包まる勇利に話しかける。恥ずかしいのだろう。
「勇利…大丈夫か?」
「………うん、大丈夫」
 やはり初めてというのもあり立ちづらいらしく、勇利を抱えてシャワーを浴び直す。簡単に抱えられてしまったのが悔しいらしい勇利は少し拗ねていた。拗ねててもかわいいね。
ルームサービスで朝食をとり、チェックアウトの時間まで勇利といろいろな話をしながらのんびり過ごした。
 長谷津に帰ると、マリに少し睨まれてしまった。んー…まぁミナコたちより1日遅らせたからバレてるだろう。

Side Y


2018.12.24
2018.12.25 ヴィクトル・ニキフォロフさんWEBお誕生日会