里帰り


「久しぶりだなー…」 ジュードは、源霊匣の研究の息抜きとして休暇を取った。
取ったというより、研究仲間がなかなか休まないジュードを見かねて強引に取ったのだ。


海停を抜けると、久しぶりだねっとみんな声をかけてくれた。
まずは、両親に会いにいく。
そーと入ると、母さんがいた。

「…あら!ジュード!どうしたの?」
「母さん、久しぶり。休暇を取ったから帰ってきたんだ」

母さんと少し話をして、レイアが宿屋にいるだろうと聞き会いにいくことにした。
レイアは裏で洗濯をしているらしい。
裏に行くと、洗濯を一生懸命しているレイアがいた。

「レイア」
「…え?…ジュード?」
「久しぶり、レイア」
「どうしたの?帰ってくるなんて珍しい!」
「休暇を取ったんだ。半ば無理矢理だったけど」

そう言って、ジュードはレイアに聞いた。

「レイアの方はどう?何かあった?」
「うーん。特にないかなー。でも、久しぶりにジュードに会えたしそれはうれしいかな!」
「そ、そう?」

そう言いながら、レイアの選択を手伝って話をした。
ジュードは、3日程ル・ロンドにいるらしい。
その後は。まっすぐイル・ファンに戻らずカン・バルクへ行くとのことだ。
休暇を取ってガイアス王に報告に行くのだろう。

「今日は母さんにもゆっくりねって言われてるから、レイアの手伝いでもしようかな」
「ジュード、休み取ってきた意味ないよ?」
「う~ん。僕は別に大丈夫なんだけど、研究仲間のみんながなかなか休みを取らない僕に休みを取るように脅されたし…」
「え?脅された?」
「あ~、休み取らないと研究させないってね」
「…ジュードが悪いと思うよ?休みはちゃんと取らなきゃ」
「そこまで体弱くはないんだけどなー…」

ジュードはそう苦笑していたが、私からしてみればその研究仲間の人達は正しいと思う。

「…んー。今日はお父さんに頼んで、マーボーカレーにしてもらおう!」
「え?どうしたの」
「ジュード!今日はこっちで夕ご飯食べよ!マーボーカレー食べたいし!」
「レイアったら…。うん、今日はそっちで食べるってまた後で母さんに言ってくるよ」


まだまだお互いに子供なのかもしれない。

いつかはジュードの隣に並べたらいいな、とレイアはひそかに思った。