甘い


「…う~ん…。」
「どうしたのさ、ロイド。」

ジーニアスは、隣でうなっているロイドに気になって話しかけた。
ここ1週間程、何かを考えている様子を見せたロイドだが…。
今日は特に悩んでいるようだ。

「いや…。明日のバレンタイン、ゼロスに何あげようかなと…。」
「え?チョコでいいんじゃないの?」
「うん…。」
「何か気になる事でもあるの?」

歯切れの悪い返事に、何かあるのかと思った。

「…ゼロスが…チョコと何かほしいって…。」

「何か…?」
「うん…。別にあげるのはいいんだけど、何しようか悩んでたんだ。」
「あぁ…。ゼロスなら、ロイドのあげるやつなら何でもいいと思うけど…。」
「そうかな…。う~ん…。」
「…なんなら、自分あげたら?」
「へ?」
「だから、『俺がプレゼント』ってあげるんだよ。」

「…な、な、何言ってんだよ!?」
「いいじゃない。ゼロスなら喜んで貰ってくれると思うけど?」
「…うっ!」

予想外のジーニアスの返答に、どもってしまったロイド。
確かにゼロスは喜びそうだが、自分がやるとなると、かなり恥ずかしい…。



「…ゼ、ゼロス!」
「ん~?」
「はい!チョコ!」
「…~ハニー!」