大佐


「……。」
「……は、鋼の?」

「……。」

じー……。
さっきから、覗き込んでくる鋼の。
珍しい行動に、仕事は放置する。

「……大佐の…。」
「…ん?」
「髪と目の色って、一緒のようで一緒じゃないんだな。」
「…は?」

何を言い出すかと思えば、髪の色と目の色を見比べていたらしい。
いや、何故そんな事をいきなり気にしだしたのか…。

「鋼の、君は何故そんな事を…?」
「いや…。何か、気になったから。」
「鋼の…。」

鋼のに見せるのは別にいいが、あまり見られるとこっちが気になってしかたがない。

「で、今日はどうした?」
「いや、何の用事もないぜ。」
「…見にきただけかね…?」
「いいだろー、別に。…早く仕事やれよ。本読んどくから。」
「…へ?」

鋼のがそんな事を言うなんて、珍しい。

「ここ最近ろくに飯食ってねぇーだろ。仕事終わったら外食行こうぜ。もちろん、大佐のおごりで。」

鋼のが、顔を赤くしながらそっぽを向いた。
これは、照れ隠しか。

「…ああ。すぐに終わらすよ。」

その後、大佐はものすごいスピードで仕事を終わらせ、エドと外食に行く姿が目撃された。
ちなみに、その時の大佐はすごくご機嫌だったとか…。