天然さんは自覚なし


「俺がそんなヘマをするほどやわだと思ってんの?」
「いや……。」


「鋼の、君はもう少し自覚した方がいい。」
「?何が?」
「…大佐、兄さんに何言っても無駄ですよ…。」
「痴漢とはいえ、必ずしも勝てるというわけではないだろう。」

どうやら、エドが痴漢にあったらしい。
しかも、女だと間違われて…。

「しっかし、何で男を襲うんだ?」
「兄さんが女の子に見えたからだと思うよ。」
「…俺は、男だ…!」

言い争ってる時、アルは「気になる事が…。」と言い出した。

「ん?何かあったのかね?」
「いえ…その痴漢、何か…何ていうか…。」
「アル、もったいぶらないで言えよ。」
「兄さん絶対怒るよ…。…兄さんに、惚れたんではないかなー、と。」

……………………。

「はあ!?」
「何か見たのかね。」
「痴漢に遭うちょっと前にその男の人…兄さんの方をじっとみていたような感じが…。」
「…惚れた可能性は十分にあるな…。」
「はあ!?何でそうなるんだよ!?」
「君は…本当に自覚した方がいい。」

ロイはエドの肩に両手をおいて言い聞かせるように言った。

「?だから、何が。」
「兄さん、身の危険を避けるためにも、少しは自覚してもらわなきゃね。」
「身の危険?」
「「…………。」」

どこまで純粋な鋼のなんだろうか…っと頭を抱えるロイ。
エドよりも少し知識があるアルも頭を抱えた。

((将来が、心配だ…。))