カナミはわかっているのだろうか
「カナミ?」
「…シロくーん」
「えっと…何」
「んー何でもないよ」
突然僕の家にやってきたカナミ。あれ、住所教えたっけ…いや、教えてないと思うんだけどどうやって来たの…!?しかも来てそうそうおじゃましまーす!って上がり込んでこたつでぬくぬくしてるという…。
「…カナミに住所教えたっけ」
「ん~…KRくんから聞いたー」
KRからかよ…!確かにオフ会の幹事になることが多いメンバーとかには教えたけど…!KRがニヤニヤしながらカナミに教えているのが目に浮かぶ。というかほんと、カナミは何をしにきたのか…。
「実はねー…エアコン壊れちゃって、こたつもないから寒いのよ~」
「…それ、別に僕の家じゃなくても直継とかでもよくない?」
いやまぁ、僕のところに真っ先に来たのはうれしいけどさ。カナミに他意はないだろうがうれしいものはうれしいんだよ、うん。
「だってーシロくんの住所は前KRくんが教えてくれたから知ってるけど他のメンバーは大まかな住所しか知らないんだもーん」
「………で?いつエアコン直るの?」
「明後日!」
「…一応念のために聞くけどそれまでどうするの?」
「シロくん泊めて?」
「………」
泊めて?泊めて…?まず家族とかに頼るのが普通だろ。僕が男だってわかってます?ああうん分かってるよ…僕に拒否権はないのは。突っ込みたくなかったカナミの大きめの鞄をちらりと見て溜息をつく。
「………ほんとに僕のとこに泊まるの?」
「え、ダメ?」
「いや、ダメっていうかね…」
「じゃあいいよね!はぁ~…こたつあったかーい」
もう突っ込む気にもなれなかったのはカナミの性格故か。しかし、ノーパソあるからエルダー・テイルもちゃんとできるんだよ!って言うカナミに溜息をついて突っ込まなかった僕は、茶会メンバーにニヤニヤとからかわれ、ちゃんと突っ込んでおかなかったことを後悔した。
そして夜、一緒に寝よー!と僕の部屋に来た時には溜息や突っ込みよりも、頭を抱えた。
カナミ、僕が男だってちゃんと分かってる…!?
End.