彼らの素性
「…ねぇ、ルルーシュ。」
「何ですか、会長。」
「ルルーシュとナナリーと私で、一緒に逃げない?」
「……。」
生徒会メンバーは、いきなりミレイの雰囲気が変わって、逃げるっということに驚いた。
何故何から逃げるのか…。
「……バレそうですか。」
ルルーシュは、書類を片付けながら淡々と言った。
「…ええ。ごめんね。」
「いえ。仕方ないですよ。」
ルルーシュは苦笑した。
2人はメンバーには分からない会話をしている。
「……ナナリーは…。」
「ナナリーは、近々キョウトに預ける予定でしたから。」
「…そう。」
「…キョウト…?」
カレンやスザクにとっては、何度も聞いた事のある名前だ。
「……たった7年にしか、もたなかったのね…。」
「…いずれは出て行かないといけなくなると思ってましたから。」
「…ごめんなさい。」
「…アッシュフォードには、本当に感謝してます。あの戦後で匿ってくれて。」
「…。」
「ナナリーも、よく笑うようになりましたし。」
そう言ってルルーシュは、苦笑した。どこか諦めている感じがあった。
「…貴方はいつもそうですね。」
「…そうか?昔からこうだど思うが。」
メンバーを余計に混乱させるかのようにまた雰囲気が変わった。
2人の立場が逆になったように口調が逆転した。
「えっと…会長…?ルルーシュ…?」
リヴァルは、何とか言葉を発した。
「…何だ、リヴァル。」
「え?いや、その…。」
当たり前のような顔で、何だと聞かれるとこっちも困るんだけど…っと思いながらも。
「…一体、どうなってるわけ…?逃げるとか匿ってたとか…。」
「…お前達は、俺の過去を知りたいか?」
「「「……っ!」」」
悪友のリヴァルでさえ知らないルルーシュの過去。
「いいんですか?」
ミレイは少し心配そうな顔でルルーシュに言った。
「どっちみち、もうここにはいられないからな。」
「ってことは、出て行くってこと…!?」
シャーリーは思わず立ち上がって言った。カレンも驚いてる。
「まぁ、そうなるな。」
「…私も行きますからね。」
「お前は、ここに残れ。…って言っても来るだろうな。」
「当たり前ですよ。私は今でも貴方の婚約者で騎士だと自負してるんですよ?」
「…こ、婚約者…!?」
今度はリヴァルとシャーリーが驚いた。
「今は違うがな。」
暗に婚約者だと言ったようなもんである。
しばらく、ルルーシュの過去が語られ、自分がゼロであることを明かした。
「ルルーシュが誰でも、俺はお前の悪友だぜ!」
「うん!私だってルルが誰でも!」
「そうね。ルルーシュ君、もう少し周りを頼ったらいいと思うわ。」
そう言ってくれたことで、ルルーシュは泣きそうになった。
受け入れてくれたのだ。今まで、裏切られ続けたのに…。
「…ルルーシュ。」
「ああ。ありがとう、みんな。」
そう言って、ルルーシュは笑った。
その笑顔が、すごく悩殺であったことは言うまでもない…。