「…お願い。箱庭を壊さないで…。」

この箱庭の番人の1人である、ミレイはそう願った。


箱庭の少年




「……今日は、生徒会室に一体誰がいるのかな~?」

ある日の放課後。ミレイは少し遅れて生徒会室に向かった。

「…あら?今日は、ルルちゃんだけ?」

そう言ったのだが、ルルーシュからの反応はない。ソファにいるらしい。

「…あっ……随分幸せそうに寝て…。」

ミレはルルーシュの顔を覗きこんで、そう言った。

「んっ………ん。」
「ん?」

ルルーシュは寝言で何かをつぶやいている。

「……さん………かあさん…。」
「!…………だから、幸せそうな顔してるのね…。」

まだ、ルルーシュの母が生きていた頃の夢を見ているらしい。

「…もう、7年前になるのね…。」

月日が流れるのは案外早いものである。

「!…ルルーシュ!ルルーシュ、様!」

しばらくルルーシュの寝顔を眺めていると突然、涙を流し、魘されていた。
ミレイはルルーシュの名前を呼び、起こそうとした。

「ルルーシュ様!」
「…………み、れい…?」

起きたばかりで舌がうまくまわっていないらしい。

「大丈夫ですか?魘されていましたよ。」
「そう、か…。」
「ルルーシュ様、大丈夫です。ミレイはあなたのそばにいます。」

そう言って、ルルーシュを抱きしめた。
ルルーシュも抵抗する気はないようである。

「ああ。ありがとう、ミレイ。」
「…愛してます、ルルーシュ様。」
「ああ。愛してるよ、ミレイ。」

そう言って、2人はキスをした。