「学園花火大会は初めてだよな~。」
「あぁ、いつも予算が足りなかったからな。」
「今年は、ルルーシュが変なイベントを省いたおかげでもあるからな~。」

今年の夏は、学園初の花火大会。
毎年、予算が足りなくて諦めてしまうのだが…。


色とりどりな花火




「…ルルちゃんに着せたかった服があったのに…。」
「…学園皆で楽しめるっと言ったら、こっちの方がいいでしょう?」
「そうだけど、ね。」

ルルーシュと学園全員となれば、しかたがない。

「会長、そろそろ始まりますよ?」
「ええ。」

生徒会メンバーは屋上、つまり特等席で見られる。
正面から、カレン・スザク・ルルーシュ・ミレイ・リヴァル・ニーナである。

「でも、よく浴衣?なんか用意できましたよね?」
「うふふ。ちょっとツテがあってね。」
「……ツテ、ですか?」
「そう!ルルちゃんという名のツテがあるのよ!」

…皆、ルルーシュの方に視線を向けた。
ルルーシュは目を泳がせて、居心地悪そうにしていた。

「ええ!これ、全部ルルーシュが作ったのか!?」
「……不本意ながら、な。会長命令で。」

さすが、副会長。やることがプロ級である。
その証拠に、縫い目などが綺麗で、一学生が作ったとは思えないほど。

「ほら。もうすぐ花火が上がりますよ、会長。」

ルルーシュは、話題をさりげなく変えた。

「そうね、あと1分くらいね。」
「学園初の花火。どういう感じなんでしょう。」

『お待たせいたしました。これより、学園初の花火大会を開催します!』

「お!始まるぜ。」

どんどん上がる色とりどりな花火。
校舎の下では、屋台などがあり、外部の人も参加できるようになっている。

「ルルーシュ、」
「…好きだよ、ミレイ。」
「!…くすくす。先越されたわ。」
「今は皆花火に夢中だからな。」

そう、皆屋上でバラバラとしていたし、校舎の下の騒ぎ声などもあり、
花火に夢中で2人の会話に気づく人はいない。
だから、ルルーシュも2人きりの時の口調で話せるのだ。

しかし、後日、会話は聞かれていなくても、何故か2人が寄り添っている写真が出回り、ルルーシュはリヴァルに詰め寄られた。
ちゃんと、「なんでもない。」と言ったが、しばらく噂が絶えなかったらしい…。