お似合い


「…よーし!生徒会だけで男女逆転祭するわよー!!」

放課後の生徒会室。
突然、ミレイがイベント告知を告げた。

「却下です。予算の事も考えてください」

ルルーシュは笑顔で却下し、現実的な問題を言った。
しかし、そこで諦めるミレイではなかった。

「大丈夫よ!前使った服を使うから!」
「…そこまでしてしたいんですか…」

ルルーシュは諦めたらしい。
ここまできたミレイを止めるのは無理だと思ったのだろう。

「今回は、ペアを組んでやるわよー!」

「えっ!?(ペア!?…よ、よし!私はルルと…!)」
「えっ!?(俺は会長を…!)」

この二人は分かりやすい…。

「うーん。ペアは…リヴァルとニーナ、シャーリーとスザクね。私はルルちゃんと」

……………………。

「「えー!!!???」」
「んー?どうしたのかな、リヴァル・シャーリー」
「「…いえ、何でもありません…」」
「どうして俺が、こんな女装を…!」

ルルーシュは少し不機嫌だった。

「まあまあ。ルルーシュだって途中で諦めたでしょ」

その不機嫌さをどうにかしようとスザクは努力した。

「でも、いいだろ!俺は、会長とペア組みたかったのに…!」
「しかたないだろ。会長が指名したんだから」



「さすが、ルル…」
「ルルーシュ君。似合ってるよ…」
「うーん。罪な男ね。」

さんざん抵抗したルルーシュは、「学園の女子服なら着てやる」と言ったためミレイはしかたなくそれで我慢した。

「…会長達も似合ってますよ?」

ルルーシュは笑顔で言った。

「えっ!」
「あ、ありがとう」
「ふふ…ルルちゃんがそんな事言うなんて…。じゃ、ペアになってー!」


「さすが、ルルーシュ。似合ってるわねー」
「そうですか?…こういうのは、会長の方が似合ってますよ」

二人の会話をひそかに聞いていた周りのメンバーは…。

「ルルが…!」
「ルルーシュって…あんな事言うやつだっけ…?」
「なんというか…恋人みたい…」
「「……そ、そんな事…」」

二人が仲いい本当の理由を知っているのはこの中ではスザクだけ。
(会長とルルーシュが皇族時代からの仲だと知ってると…別に普通だと思ってしまうんだよね…)
そう、スザクは心の中で思っていた。

「ふふ…。……ルルーシュ、名前で呼んでくれる?」
「え?名前で?」

「ちょっと…会長とルルーシュが…!」
「ル、ルル…!」

「……ミレイ」
「…ルルーシュ」

ミレイはルルーシュに名前で呼んでもらってうれしそうな顔をして…。

「「「「えっー!!!!????」」」」

ミレイは、ルルーシュの唇に触れるだけのキスをした。
ルルーシュは一瞬驚いた顔をしたが、今度はルルーシュからキスをした。

さすがのスザクもこれには驚いた。
しかし、他のメンバーは唖然としていた。

もう、二人の周りには二人だけのオーラが漂っていた。

しばらくスザク以外のメンバーは唖然としたままで、気づいていない二人から不思議な顔をされた。