幸せ
"HAPPY BIRTHDAY LELOUCH!!!"
「…へ?」
ルルーシュが生徒会室に入った途端、皆はクラッカーを鳴らして言った。
「あら?ルルちゃん、もしかして忘れてたの?」
「はは、ルルーシュらしいね。」
「確かにルルーシュらしいぜ。」
「もうルルったら…!」
「お兄様、時々抜けてますから。」
「…あっ。今日は…俺の誕生日…?」
「ルルちゃん、そこは疑問系じゃないでしょ。」
ミレイはルルーシュを生徒会室の中心へ招いた。
「ルルったら、本当に忘れてたの?」
「ああ…。ここ最近授業の課題が多かったからあまり気にしてなかったんだ…。」
「あー…。確かに何か課題多かったよなー。」
「今日はルルちゃんの誕生日!そんな話ばっかりしてないで、祝うわよ…!」
ルルーシュは皆にもみくちゃにされながらも、どこかうれしそうだ。
「さて、今からプレゼントタイムとするわよー!」
「…ルルーシュ、おめでとう。これ、ダンテの作品集なんだ。」
「あ、ほしかったんだ。スザク、ありがとう。」
「えーと、俺はこれ。チェス盤!」
「…くす。そろそろ買い換えようと思ってたんだ、ありがとう。」
「ルル!…えっと、万年筆とかいつも使ってるから…。」
「買い溜めしようと思ってたんだ、ありがとう、シャーリー。」
「えっと、これ…。最新技術とか科学系の本なの…。」
「その本欲しかったんだ。ありがとう、ニーナ。」
「…この一年間のアルバムをプレゼント!」
「あ、ありがとうございます…。」
「お兄様。誕生日おめでとうございます。…これは、折り紙と…ミレイさんと一緒に作った開けてからのお楽しみのプレゼントです」
「ありがとう、ナナリー。…開けてからのお楽しみ、か…。」
「ええ。きっと驚くわよ~?」
ルルーシュは、その言葉を言った時のミレイの顔が一瞬少し悲しそうになったのを見逃さなかった。
「みんな、ありがとう。」
ルルーシュはナナリーに向けるのよりも少し違う感じの微笑みを見せた。
「さて、何が入ってるやら…。」
ルルーシュは、ナナリーとミレイが作ったというプレゼントを開けた。
「あっ…これ…。」
中に入っていたのは、アルバム。
中に手紙が挟んであった。
"これは、アッシュフォードができる限り集めた、あなたが皇子だった頃の写真よ。
HAPPY BIRTHDAY LELOUCH! ミレイ より"
「…ありがとう。」
その日、ルルーシュは少し涙した。