もう黙認できない
「…ねぇ、ルルーシュ。」
「何ですか、会長。」
放課後の生徒会。
今日は、大した書類もないので2人で処理している。
「……殿下。私は、貴方が…ゼロであると知っています。」
「…どうしてそう思う?」
2人だけの時の雰囲気、口調…。
「…私はっ、貴方のお傍にいたいんですっ!」
「ミレイ…。」
「見捨てないで、なんて言えません。でもっ。」
「…ミレイ。お前は私の最高の騎士だよ。」
「…ありがとう、ございます。」
「…私は、もう巻き込みたくないんだ。」
「…では、私が勝手にします。」
「っ!…ミレイ!?」
ルルーシュは、息を呑んでミレイを見た。
そのミレイの顔は悲しそうに笑っていた。
「私は、諦めが悪いんです。」
「…っ。ああ、そうだったな。お前は昔から諦め悪かったな…。」
「私は、家すらも捨てる覚悟さえあります。これは、おじい様も承知の上での事。」
「…アッシュフォード家には、感謝しきれないな…。」
「私達は、貴方のお役に立てるのなら、なんなりと。」
「ありがとう、ミレイ。」
そう言って、ルルーシュは泣きそうな顔で微笑んだ。
「…ところで、ゼロの騎士はカレンなんですよね?」
「…ああ。しかし、カレンにもまだバラしていないからな…。」
「…大丈夫ですよ。彼女なら、受け入れる覚悟くらいあるでしょう。」
「…本当に、お前は私の最高の騎士だよ。」
「…くす。いつまでも、貴方の傍に…。」
そう言ったミレイは、ルルーシュの前に跪いて、手の甲にキスをした。
それは、騎士の誓いの印だった。