食欲の秋


「…秋ね~。」
「会長、9月ですけどまだ暑いですよ~?」

確かに、9月に入っても一向に涼しくなる気配はない。
生徒会室も、クーラーをつけている。

「秋といえば、読書の秋・食欲の秋よね~。」
「そういえば、そう言いますよね。…ところで会長、ルルは?」
「くふふ…。食欲の秋ということで、ルルちゃんには料理を作ってもらいました!」
「…ルルーシュが、ですか?」

とリヴァルがそう言った時、ルルーシュが来た。

「会長。準備できてますよ。」
「オッケー!じゃ、ルルちゃんの手作り料理を食べましょう!」
「…何でこんな日に俺が作らないといけないんですか?」
「もっちろん!ルルちゃんの料理は天下一品だからよ!」
「えっ!ルルーシュのっておいしんですか!?」
「ルルちゃんは、どこぞの主夫みたいな感じよ~。」
「…咲世子さんがいない時に作っているだけですよ。」

クラブハウスには、少し小さいが食堂もある。
そこで、リヴァル達は初めてルルーシュの作る料理を食べた。

「ん!何だよ、このおいしさは…!」
「おいしい!」
「ええ。相変わらず、おいしいわねー。」

ルルーシュの料理は大好評だ。
ミレイ曰く、趣味が料理と日曜大工らしい。

「…これくらい、当たり前だろう。」
「…ルルちゃん。」
「何ですか?」
「…料理ができない人もいるのよ?」

ミレイは、小声で言った。

「ルルーシュは、いつから料理できるようになったんだ?」
「ああ…。何歳だったか…。多分、10歳ちょっとだったと思うが…。」
「えっ!ルルってそんな年でできたの!?」
「ああ、自炊していたからな。」
「「……。」」

10歳そこらで自炊。
どんな生活をしていたんだ…?
しかし、そんなことは聞けない。

時々、昔の話になるとルルーシュはあまりいい顔をしない。
一度聞いてきたが、言葉で拒絶された。
友達になり始めた頃だったが、リヴァルはルルーシュの性格をきちんと知っていた。
だから、今までルルーシュの過去に触れてこなかった。
多分、今の話題もあまり触れてほしくないだろうと判断する。

「ルルーシュって、趣味が料理みたいな感じだなー。」
「そうか?確かに、暇があったらいろいろ作っているが…。」
「…ルルーシュ。それ、趣味だろ。」
「まぁ、作るのは楽しいぞ?」
「…私も、頑張ってみようかな…。」

シャーリーは、今度頑張ってしてみようと決意した。

その日から、ルルーシュの料理は記念日や誕生日などで振舞われた。
自分の誕生日には、ミレイが作った料理が振舞われたが、ルルーシュ並みにおいしいと、
リヴァルはおいしそうに食べていたが、シャーリーはどうしたらうまくなるのか、と落ち込んでいた…。