「我が君~!あなたの騎士が会いに来ましたよ~!」


表と裏の騎士




「誰だ!?」

ゼロと幹部しかいない会議室に、見知らぬブリタニア人が来た。

「…我が君~?」
「答えろ!何者だ!」

質問に答えようとしないロイドに、カレンは怒鳴るように言った。

「うーん、何者だろうね~?」
「…ッ!…それと、ゼロの騎士は私だ!」
「カレン、大丈夫だ。私が呼んだんだ。」
「え?ゼロが…?」
「我が君~!」

と言いながら、ロイドはゼロに抱きついた。
しかも、ゼロはため息を吐いただけだった。
それを見たカレンはロイドを引き剥がそうとした。
それに、ゼロはカレンの耳元でこう言った。

「こいつは『俺』の騎士だ。そして、お前は『私』の騎士だ。」
「…ッ。」

幹部達は一連の事についていけなかった。
見知らぬブリタニア人がいきなりゼロに抱きつくわ、
ゼロがカレンの耳元で何かを囁き、カレンは悔しそうな顔をしながらも納得したわ…。

幹部達がそう思っている一方、カレンは少し、悔しかった。
『俺』と『私』の区別は分かった。ゼロの騎士か、ルルーシュの騎士かという事だ。
分けられていても、ゼロの騎士は自分だけだと誇りに思った。
でも、2人の親密さは己よりの強かった。そこが、悔しかった。見せ付けられたのだ。

「我が君~、部屋でお菓子食べませんかー?」
「?ああ、いいが。後でな。」
「わーい!」

会議の後、ロイドはすぐにゼロことルルーシュを引っ張って部屋にこもった。
あまりに早い動作で、質問があった藤堂は…。

「…どうしたらいいだろうか…。」

珍しく、途方にくれていた。
作戦は、明日なのだ。今聞かなければいけないだろう…。